「私の存在がクルレイド様にとって力になるなら、嬉しいです。これから何かがあったら、私を頼ってくださいね?」
「ええ、そうさせてもらいます……しかしなんというか、俺はレミアナ嬢には敵わないような気がします」
「あら? それはどういう意味ですか?」
「ああいえ、悪い意味ではありません、よ?」

 私の質問に対して、クルレイド様は苦笑いを浮かべていた。
 本当に悪い意味ではないのだろうか。その笑顔を見ていると、なんだかそうではないような気もしてくるが。

「……クルレイド様、改めてこれからどうかよろしくお願いします」
「レミアナ嬢……こちらこそ、よろしくお願いします」

 私とクルレイド様は、お互いにそう言い合った。
 色々と大変なことはあったが、これからはきっと私は幸せになれるだろう。
 その手に確かな温もりを感じながら、私はそんなことを思うのだった。