「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

「そんなことよりも、クルレイドさんは僕の兄上になるということですよね?」
「うん? ああ、そういうことになるのか」
「それはなんだか、嬉しいです。前々から、兄上のようには思っていましたけど……」
「まあ、それは俺も同じさ。ロンダーのことは、弟のように思っていたとも」
「そう言っていただけるのは嬉しいです」

 ロンダーは言いながら、目を輝かせていた。
 彼は、前々からクルレイド様のことを慕っている。そんな彼と義理の兄弟ということに、かなり喜びを感じているのだろう。それがその表情から伝わってくる。

「……ただ、クルレイドさん。姉上のことは幸せにしてくださいね?」
「む……」
「アルペリオ侯爵令息のせいで、姉上はたくさん傷つきました。だから今度の婚約は姉上にとって幸福なものであって欲しいんです。クルレイドさんが相手なら、大丈夫だとは思っていますけど……」