「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

「クルレイド殿下、どうか娘のことをよろしくお願いします」
「いえ、こちらこそよろしくお願いします」

 お父様とクルレイド様は、お互いに一礼していた。
 とりあえず私とクルレイド様の婚約は認められたということだろう。
 そのことに私は安心する。これでランペシー侯爵家の領地の問題も含めて解決だ。

「ランペシー侯爵、見ての通り二人はまだ若い。婚約の話もまだ完全に進んでいるという訳でもありませんから、それまでの間あなたには領地の管理と引き継ぎの準備などをお願いできますか?」
「わかりました」

 ランペシー侯爵も安心したような表情をしていた。
 彼にとって一番気掛かりだったのは、領地に暮らす人々のことだったのだろう。その憂いがなくなって、安堵しているということかもしれない。

「よし、話がまとまって僕としても安心だ。最近この国はやけに荒れていたからね。そろそろ落ち着いてもらいたい所だ」