「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

 ギルドルア様の要求に、クルレイド様は動揺していた。いきなり侯爵家の領地を任されて、平静ではいられないのだろう。
 しかし彼の表情は、すぐに決意に満ちたものに変わっていく。ギルドルア様の考えを聞いて、決意を固めたのだろう。

「……そうですね。これも王族の一員としての役目という訳ですか」
「理解が早くて助かるよ。ランペシー侯爵、一応聞いておきますが、異論はありませんか?」
「もちろんです。レミアナ嬢は、私が最も信頼している男のお嬢様ですからね」

 ランペシー侯爵は、私を見て少し切ない笑顔を浮かべてきた。
 その笑顔を見ながら、私は理解する。ランペシー侯爵の意思を受け継がなければならないと。
 ランペシー侯爵家の領地の秩序を守る。私はそれを決意した。
 ただ、その前に片付けておかなければならないことがある。お父様に、クルレイド様との婚約の許可を取らなければならないのだ。