「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

「しかしその時から、アルペリオの様子は変わったというのは事実です。部屋から出るようになり、私ともある程度話してくれるようになりました。もっとも、その時からあれは今回の計画を立てていたのかもしれませんが……」
「それから、アルペリオ侯爵令息はあなたを?」
「ええ、私を襲ったのです」

 ランペシー侯爵は、ボロボロである。アルペリオ侯爵令息に、かなり痛めつけられたのだろう。
 実の親にそんなことをするなんて、ひどい話だ。そう考えていくと、衝動的に今回のことを起こしたとも考えられる。じっくり思案してからランペシー侯爵を痛めつけたという方が、私からすると考えにくいことだ。

「突然のことだったため私もなす術がなく、このように痛めつけられました。しかしアルペリオは私に止めを刺さず、そこから失踪したのです」
「なるほど……」