「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

「さて、まずは私から事情を話すべきでしょうな」

 客室に案内された私達は、状況を整理するために話をすることになった。
 最初に切り出してきたのは、ランペシー侯爵である。

「私の愚息アルペリオは、ランカーソン伯爵夫人にフラれてからひどく落ち込んでいました。部屋に籠るようになり、私が何を言っても出て来なくなったのです」

 ランペシー侯爵は、アルペリオ侯爵令息のことを話し始めた。
 エルライド侯爵家の屋敷で別れてから、私は彼のことを何も知らない。彼がどうして、今回の凶行に及んだのかは気になる所だ。

「そんな折に入ってきたのは、ランカーソン伯爵夫人が捕まったという報告です。国家に対する反逆を彼女が企てていた。それを聞いた時は、私もアルペリオも驚きました」