「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

 ランペシー侯爵に続いて、ロンダーとお父様もこちらにやって来ていた。
 二人の顔を改めて見てみると、なんだか胸が少しほっとした。今まで気づかなかったが、私の意識はずっと張り詰めていたらしい。

「姉上、ご無事ですか?」
「ええ、私は大丈夫よ」
「状況はよくわかっていないが、明らかに何かがあった様子だな」
「色々とありました。でも、クルレイド様が助けてくれましたから」

 ロンダーもお父様も、私のことをとても心配してくれていた。
 それが私は、とても嬉しかった。思わず笑みが零れてしまう。

「クルレイド殿下、娘を助けていただきありがとうございます」
「いいえ、俺は当然のことをしたまでですから……」
「……積もる話も色々とありそうだ。ここは場所を移動するとしようか。ここで話をするのも何だからね」

 色々と騒がしくなった場をまとめてくれたのは、ギルドルア様だった。
 彼の言う通り、王城の玄関付近で積もる話をするものではない。ランペシー侯爵の容体も気になるし、ここは場を変えるべきだろう。