「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。


 私の呟きに返答をした後、ギルドルア様はゆっくりと手を上げた。
 すると、兵士達がアルペリオ侯爵令息を拘束する。その扱いは、最早貴族ではない。ただの賊として、アルペリオ侯爵令息は処理されるようだ。

「さてと、これでこの一件も落ち着いたという訳だ」
「兄上、すみません。色々と騒ぎを起こしてしまって……」
「気にすることはないさ。これはあの侯爵令息の狂気が引き起こしたものだ……しかし、彼の行動は目に余る。ランペシー侯爵家にも責任を果たしてもらわなければならないな」

 ギルドルア様は、一度目を瞑ってからそのようなことを呟いた。
 確かに、アルペリオ侯爵令息の行動は許されないものである。それは彼個人の責任ではなく、家の責任ということになるだろう。
 しかし私は、あることが気になっていた。ランペシー侯爵は、果たして無事なのだろうか。