「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

「それより、ありがとうございます。俺のことを止めてくれて」
「ああ、それは私の自己満足のようなものですから」
「いいえ、あそこで剣を振り下ろしていたら、俺はきっと後悔していました」
「そうですか……それならよかったです」

 クルレイド様は、私に対して苦笑いを浮かべていた。
 彼の言葉からは、恐怖のようなものが伝わってくる。それはきっと、命を奪おうとしていたことへの恐怖なのだろう。
 それを見ると、改めて止めてよかったと思える。危険はあったが、私の行動は正しかったといえるだろう。

「……まったく、君達は本当に大胆なことをしてくれたな」
「え?」
「あ、兄上……」

 そんな風に私が感慨に耽っていると、その場にギルドルア様が現れた。
 彼は、楽しそうに笑っている。ある種、いつも通りのギルドルア様だ。