「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

 ロンダーは、少しだけ私に気を遣っている様子だった。
 そんな必要はないというのに、自分とクルレイド様の関係が、私にアルペリオ様を想起させるとでも思っているのだろう。しかしそれは、いらぬ気遣いというものだ。

「行くからには楽しむつもりだから、あなたも細かいことは気にする必要はないわ。大体、クルレイド様側の都合もある訳だし、会えるかどうかもわからないのよ?」
「まあ、それはそうだね。クルレイドさんは王子だし、忙しいかもね……」
「会えるといいわね?」
「……うん」

 私の言葉に、ロンダーはゆっくりと頷いていた。
 やはり、友人と会いたいという気持ちは強いのだろう。その表情からは、それがよく伝わってきた。