「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

 クルレイド様は、私に頭を下げてきた。
 だが、ギルドルア様の行いに私情が入っていたとしても、特に気にはならない。それはデメリットにはなり得ないからだ。

「クルレイド様からそういう想いを向けられていたという事実を、私は嬉しく思っています。ですから、頭を上げてください」
「……わかりました」
「あ、言っておきますが、お世辞ではありませんよ。私は、本当にそう思っているんです」

 クルレイド様に想われているということは、素直に嬉しかった。
 彼のことは、尊敬している。人間的に、好感が持てる人だと思っているのだ。
 そういう人から想われているという事実に、悪い気はしない。むしろ、気分はとても良いくらいだ。

「……まあ、まだお父様に相談したりしなければならないので、一概には言えませんが、どうかよろしくお願いします、クルレイド様」
「レミアナ嬢……こちらこそ、どうかよろしくお願いします」