「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

 私には教えてくれないということだろうか。かなり気になるのだが。

「……兄上、事情を話します」
「ほう?」
「このまま訳もわからないまま婚約するというのは、どうにもばつが悪いですからね」
「なるほど、そういうことならば僕は席を外すとしよう」
「あ、えっ?」

 クルレイド様の言葉に、ギルドルア様は素早く立ち上がった。
 彼はそのまま、部屋から出て行く。言葉通り、席を外したようだ。なんというか、迅速過ぎる対応である。
 よくわからないが、残ったクルレイド様が事情を話してくれるらしい。私はそれを聞いてから、色々と判断すればいいのだろう。

「さてと……何から話すべきでしょうかね」
「えっと……それは、クルレイド様に判断していただくしかないかと」
「まあ、そうですよね」

 私の正面に座り直したクルレイド様は、なんというか歯切れが悪かった。