「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。


 ギルドルア様の質問に、クルレイド様は言葉を詰まらせた。
 それは私に気を遣ってのことかもしれない。クルレイド様は紳士なので、本人を前にして婚約に不満があるとは言いにくいだろう。

「クルレイド様、私に気を遣っていただかなくても結構ですよ。不満であるなら不満であると、はっきりとそう告げていただいて大丈夫です」
「あ、いや、レミアナ嬢、そういうことではないのです。婚約相手があなたであるなら、光栄の極みです」
「お、お世辞ですか……?」
「だからそういう訳ではありませんよ。本当に光栄に思っているんです」

 クルレイド様は、私に勢いよく反論してきた。
 なんというか、彼は必死である。その言葉に恐らく嘘はないだろう。

「でも、それならどうして、そんなに慌てているんですか?」
「そ、それは……」
「ふふっ……」

 クルレイド様の慌てる様子に、ギルドルア様は噴き出していた。