「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

「あ、兄上、まさかとは思いますが……」
「ああ、僕はレミアナ嬢と婚約して欲しいと思っている」
「やっぱり、そういうことですか……」

 ギルドルア様の言葉に、私はゆっくりとため息をついた。
 ここに私が呼ばれた意味が、わかってきた。この話のために、私は同席させられたということなのだろう。

「クルレイド、君の婚約者としてレミアナ嬢程適切な者はいないだろう。彼女……というよりも、エルライド侯爵家の者達は信用できる。こんなことがあった後だからね、僕は王家の婚約者としてランカーソン伯爵家の手が及んでいない者達がいいと思っている」
「そ、それは確かにそうですが……しかし兄上、話が早急過ぎるでしょう」
「レミアナ嬢、あなたにとっても悪い話ではないはずだ」

 私は、ギルドルア様の提案について考えていた。