「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

「クルレイド、君は清廉潔白だ。どこまでも真っ直ぐな君こそが、王には相応しいだろう。君ならば、真に民のために動くことができる」

 ギルドルア様は、そこで少し悲しそうな表情をしていた。
 そして彼はゆっくりと目を瞑り、その後に首を振る。

「だが、そういう者が王になることを今の世の中は許容してくれないこともまた事実だ」
「兄上?」
「やはり僕が、王になるしかないのだろうね。クルレイド、君は王位を継ぐには清廉潔白過ぎる。悲しいことだがね……」
「兄上、それは……」

 ギルドルア様は、意見を一気に反転させた。
 いや、そういう訳ではないのかもしれない。彼が先程まで語っていたのは、願望であると考えることもできる。
 できることなら、クルレイド様に王位を継いでもらいたい。しかし、今の国の現状がそうさせてくれない。それをギルドルア様は、嘆いていたのだろうか。