「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

 私は、弟のロンダーとともに王都へと向かっていた。
 色々と話し合った結果、私達の旅行の目的地はそこに決まったのだ。

「父上は残念だったね」
「ええ、なんというか、少しだけ気が乗らないわ」
「それじゃあ、父上も浮かばれないよ。楽しんで来いって、言ってくれただろう?」
「それは、そうなのだけれど……」

 お父様に旅行の話を持ち掛けた所、私達だけで行ってくるように言われた。
 忙しいお父様は、現在長くエルライド侯爵家の屋敷から離れられないらしい。
 それなら、旅行も中止しようと思った私に、お父様は言ってきた。自分のことはいいから、二人で楽しんで来いと。

「せっかく、久し振りに王都にまで赴くのだから、この際細かいことは気にせず楽しもうよ」
「まあ、王都に行けるのは楽しみなのだけれど……」
「この国の中心だけあって、色々なものがあるからね」