「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

「ギルドルア様は、恩赦が与えられると考えているのですね?」
「ああ、恐らくはそうなるだろう。ランカーソン伯爵の処刑が実施される可能性は低い。父上はあれで人情を重んじるからな。伯爵の処刑は、回避するだろう」

 ギルドルア様も、ランカーソン伯爵の処刑の実施をそこまで望んでいる訳ではないのだろう。それは表情から伝わってくる。
 彼は体の芯まで冷たい人間という訳ではないようだ。できることなら、命を奪うようなことはしたくないのだろう。

「まあそれでも、ランカーソン伯爵は終身刑だ。夫人の減刑がなされるとしても、どの道彼女も出て来られない。その結末は僕にとって不満はないものだ」
「そうですね。二人が自由にできないのなら、特に問題はありませんか……」

 ギルドルア様とクルレイド様は、向き合ってそんな会話を交わしていた。