「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

「おやおや、ランカーソン伯爵、先程から顔色が悪いですよ」
「そ、そんなことはない」
「何かやましいことでもあるのでしょうか? この際、話した方が楽になれると思いますよ」
「ち、違う!」

 ギルドルア様は、ランカーソン伯爵をどんどんと追い詰めていた。
 伯爵の額からは、汗がゆっくりと流れている。その反応からして、やはりやましい何かがあるのだろう。

「た、確かに私は、この国を支配する計画を立てていた。しかし、今回のことは私には関係ない! 妻の浮気相手のことなど知らん!」
「ほう……」

 ギルドルア様の冷たい視線に観念したのか、ランカーソン伯爵は自供し始めた。
 彼の言葉からは、必死さが伝わってくる。それは当然のことだろう。彼からすれば、命がかかっているのだから。