「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

 そんな夫人に対して、ギルドルア様は笑みを浮かべていた。彼の目的が、果たせたということなのだろう。

「ああ夫人、ちなみにあなたへの罰は軽くなるといっても、終身刑は免れません」
「……え?」
「模範囚であるならば、多少は減刑されるかもしれませんね。まあ、時間はたっぷりとありますから、しっかりと反省してください」
「ま、待って……! そんなの嫌よ! 私はこんな所にいたくない! お願い、助けて! なんだってするから……」

 ランカーソン伯爵夫人は、ギルドルア様に手を伸ばした。
 しかし彼は、既に踵を返して歩き始めている。私とクルレイド様も、それについていく。必死に縋っている夫人から、目をそらしながら。
 これから彼女は、自分の行いを顧みることになるだろう。時間はたっぷりとある。その期間で、彼女が少しでも心を入れ替えてくれるといいのだが。