「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

「まあでも、結局の所アルペリオさんとの関係は終わった訳だし、いつまでも彼のことを気にしていても仕方ないか」
「……そうね」

 結構引きずっている私と違って、ロンダーはすぐに気持ちを切り替えていた。
 彼は、アルペリオ兄様とそこまで深く繋がっていない。人見知りが激しかった彼は、兄様とそれ程打ち解けられなかったのだ。故に彼にとってアルペリオ兄様は、姉が慕っている人くらいの認識だっただろう。
 そのため傷も浅いのだ。逆に私は、かなり深いのかもしれない。

「姉上も、あんまり気にしないようにね?」
「ええ……」
「といっても、無理か。僕も姉上に裏切られたりしたら、きっとかなりショックを受けるだろうからね……今の姉上は、そういう状態である訳だ」

 ロンダーは、私のことを心配してくれていた。
 本当に、彼はできた弟である。そんな弟に、いつまでも心配はかけていられない。