「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

 そんな彼の安全は保障されている。それは私やクルレイド様にとっては、安心できることだ。
 ただ、夫人にとってはどうでもいいことだろう。彼女は、今のギルドルア様の言葉にいらついている。

「そんなことはどうでもいいことよ! 問題は、私がどうなるかということ……」
「落ち着いてください。あなたが助かる道も用意しています」
「それは一体……」
「何度も言っているでしょう。今回の件の首謀者が処刑されると。つまりあなたは、首謀者でなくなればいい。言っていることが、理解できますか?」
「ま、まさか……」

 ギルドルア様の言葉に、夫人は目を丸めていた。恐らく彼の言葉の意図を理解したのだろう。
 私やクルレイド様も、既に予想はできている。ギルドルア様は、夫人の裏に隠れている人物を引きずり出そうとしているのだろう。