「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

 仕方ないこととはいえ、夫人は切り札である秘密をギルドルア様に与えてしまった。
 彼女の裁判が迅速に行われたのも、そのためだろう。ギルドルア様は、各地の有力者達が動く前にそれを封じたのだ。
 夫人が秘密を喋らなかったなら、こうはならなかったかもしれない。その点においても、彼女は失敗していたといえる。

「さて、これで状況は理解できましたね……故にそろそろ、本題に入りましょうか」
「本題……?」

 恐怖に震える夫人に対して、ギルドルア様はゆっくりと目を閉じた。
 彼はすぐに目を開き笑う。どうやら彼は、単に夫人を処刑するつもりはないらしい。

「こういう言い方をすると失礼かもしれませんが、はっきりと言ってあなたの命には価値がありません。あなたを首謀者として葬った所で、利益はないのです」
「り、利益ですって?」