「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

「ああ、それなら母上に頼んだようです。考えてみれば、それが一番手っ取り早い手段でした。ランカーソン伯爵夫人との過ちはあったようですが、結局の所父上は母上に敵いませんからね」
「なるほど、私達はそれを失念していましたね」

 そこで私は、ふと国王様のことが気になった。
 彼がクルレイド様を止めたのは、きっとギルドルア様が既に計画を進めていたからなのだろう。
 とはいえ、彼が関係を持っていたことは事実だ。となると、国王様は何かしら秘密を握られていたということになる。その秘密とは、なんだったのだろうか。

「国王様は一体どんな弱みを握られていたのでしょうか?」
「ああ、それは……父上の名誉のために黙っておいて欲しいのですが」
「ええ、それはもちろん」
「……女装が趣味であるそうです」
「……なるほど」

 クルレイド様の言葉に、私はゆっくりとため息をついた。
 確かにそれは、知られたくない秘密ではある。国家を揺るがすものであるかどうかは、微妙な所であるが。