「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。

「わ、私の望み? あなたは一体、何を言っているの?」
「この国を手に取る。それがあなたの望みではありませんか!」
「そ、そんなこと私は……」
「ラ、ランカーソン伯爵夫人……あなたは、なんということを! まさかあなたがこの国の転覆を狙っていたとは!」
「ギ、ギルドルア様、何を……」

 なんというか、この状況はあまりにも出来過ぎている。
 市に偶々来ていた第一王子が、ランカーソン伯爵夫人が関係を持っているらしい男性に捕まった。そんなことがあるのだろうか。
 この状況は、誰かが作り出したとしか思えない。誰が作り出しているかは明白だ。あそこで捕まっているギルドルア様だろう。

「……しかし残念だったな。このギルドルアは、この程度のことでは沈まない!」
「ぐっ! 貴様!」
「こういう時の対処も、学んでいるのだ!」
「があっ!」

 そこでギルドルア様は、ドナテスの拘束から抜け出して彼を攻撃した。