好きです、総長

「…えっ」

「…悪い。そりゃ怖いよな」

そう言うと男はすぐに手を離す。



「怖かった、んですけど…

ほんとは優しい人なんだなって、思いました。

朝も助けてくれてたし、わざわざ落し物も届けてくれたし…」

「…ほんとにありがとうございました!

朝お礼言えなくてすみませんでした!」

そう言うと芽衣は大きくお辞儀をして学校へと戻る。

「…っ」

「あの子めっちゃいい子っすねぇ!てか…

兄貴顔赤くないっすか?」

「…赤くねぇーよ。いいから、車出せ。」

「へーい。」

(ありがとう、とか久々に言われた…気狂うな)