好きです、総長

「・・・なんじゃ、お前?」

「…」

男は無言のまま芽衣を殴ろうとした男を睨みつける。

「こ、こいつがいきなりわしにぶつかって足の骨折れたんじゃ!慰謝料払ってもらわな、こっから動かねぇからなぁ!」

「女相手に、お前恥ずかしくねぇの?」

「あ!?お、俺なぁ山本組っちゅーこの辺で名が

知れとる組の組長やっとるんやぁ!

・・・あんまり舐めた口聞いてると、

痛い目合うぜぇ兄ちゃん!」

柄シャツの男が長身の男に殴りかかる。

が、その拳もいとも簡単に受け止める。

そしてそのまま腕をねじり、柄シャツの男を突き放し
半笑いでこう返した。

「山本組?聞いた事ねぇな。どこの弱小チームだよ(笑)」


「お前もどっかの組の者やろ!どこの組か言ってみぃ!」

「・・・俺は、

橘組の総長やらしてもらってる者だけど。」


「・・・た、橘組ってあ、あの橘組の事か!?

しかも総長って・・・」

「「「す、すみませんでした!!!」」」


そう言うと男達は足早に去っていった。

(山本組?橘組の総長?ヤクザ?)

私の頭の中には?が大量に浮かんだ。