「しーくん!起ーきーてー!
遅刻しちゃうよ…?」


俺の朝は、そんな天使の可愛い声からはじまる。



「んぅ…?音羽?」



朝から耳が死にそう。
これが幼なじみの声だなんて、信じられん。

クスクス笑いだす音羽。
なにかと思ったら可愛らしい小さな手で俺の髪についた寝癖を直してくれた。


やば、絶対俺の顔赤くなってる。
いやでも音羽が触ってきたんだぞ?
男だったら誰でもこうなるよな。


あぁ、もう少しだけいて欲しかった。
クールキャラを続けてきたせいで抱きつくこともできない。


あぁもどかしい。
好きって言ったら、音羽は俺から離れるだろう。
だから、音羽が初恋だって気づいた12年前からずっと隠し続けて、隠し続けて,,,。
もうそろそろ限界だし、はち切れそう。


あともう少しだ、音羽に打ち明けようと決めた日まで俺は我慢する。そう決めたから。