溺愛彼氏はめんどくさい

「なんでもない……」

「ふーん、なんでもないのに彼氏に『げ』とか言うんだ」


がたっと少し乱暴に空いていたわたしのとなりの椅子に腰かける。



少しだけ、その様子が様になっていたからムカつく。

少しだけだけどね!!!




「条件反射ってやつだよ、ごめんって」

「許さない」


「……」



「で?推しって男?」


「あ、うん、女の人もいるグループだけどほぼ男。」



睨み付けるわたしを無視してかんなと話し始めた。


突然のやよいの登場にも驚かず表情ひとつ変わらないかんなはすごい。



わたしなんてすーぐ口角上がっちゃいそうになるのに……。