私たちが最初に向かったのは少しマニアックな

服屋さんだった。

「ここは?」

「俺がよく行く店。店長がいとこなんだ」

「へ〜」

お店に入っていくと、いらっしゃーいという

のんびりとした声が聞こえてくる。

「なんか買ってやる。選べ」

「えっ!?そ、そんな、悪いからいいよっ」

「いや、ダメだ。デートなんだから」

で、デート……。

自分で言い出したのに、秋斗くんも恥ずかしく

なったのか、そっぽを向いてしまっている。