頭上から最近よく聞く声が聞こえてきて、私は反射的に顔を上げる。

「え、あ、大丈夫!」

「そうか?」

「うん、大丈夫!絶好調だよ!」

まだ納得のいってなさそうな顔をしていた千秋くんだけど、私が笑って見せると、

少し目を見開いた後そっぽを向い、そうか、と呟くのが聞こえた。

「千秋くんは何してたの?」

少し気になったけど、千秋くんが話しかけるなオーラを纏っていたから、

話題を逸らす。

確か、体育館の方から来てたような……。

「あぁ、俺は演劇の練習。今終わったとこ」

「演劇っ⁉︎」

「え、あ、ああ……言わなかったか……?」

「聞いてない!」

私がそう叫ぶと、千秋くんは若干引きながらもクラスの出し物について教えてくれた。

多数決の結果、千秋くんのクラスは演劇をすることに決まり、クラスに将来脚本家に

なりたいという女の子がいるらしく、その子が考えた脚本で劇をするらしい。