あれから目まぐるしく日々は過ぎていき、学校はもうすっかり

文化祭色に色付いている。

「水色のペンキ、誰か余ってない?」

「赤色のペンキもないんだけど……」

「あ、じゃあ、私が持ってくるね。二人は作業を進めててね!」

困ったように眉を下げる二人に、私は手を挙げて提案する。

「え、いいの?」

「朝比奈さん、さっきからずっと歩き回ってるけど大丈夫?」

「大丈夫だよ。じゃあ行ってくるね」

心配そうにこちらを見ている二人の視線から逃げるように教室を出る。

少し離れた階段までやってくると、深いため息をついて、そのばにしゃがみ込む。

き、緊張したぁ……。

出し物を決める時も思ったけど、やっぱり私には向いてないなぁ……この仕事。

私は小さい頃から人と目を合わせて話すのが苦手だった。

最近は大丈夫になってきたけど、やっぱり慣れないものは慣れない。

「おい、何してる?体調でも悪いのか?」