「北斗、また告白されたんだって?」

いつものように、中庭の中心に生えている巨大な木の下に座ってぼーっとしていると、

中学からの仲の武田が話しかけてくる。

「まあ」

「で、断った?」

自信満々でそう聞いてきて、少しイラッとしたけど、事実だから何も言えない。

「……だって興味ねえし」

「そうですかー……お前は朝比奈さんじゃないと嫌だもんな」

「……っ、は?」

「だってその通りだろ?……あーあ、学校一の王子様が誰にも知られることなく

一人の女の子に恋をしてるなんて、みんなが知ったらどうなるか」

両手を頭の後ろで組んで、その辺をぶらぶら歩く武田。

「くそ……むかつく……」

「え?」

ぼそっと呟いた俺の言葉が聞き取れなかったのか、武田は首を傾げて

俺の方に戻ってくる。