裏表が激しい生徒会長に目をつけられてしまいました

……でも。

「……怯えられて終わったな」

今の俺は、王子様スマイルを放っているキラキラな生徒会長じゃない。

こんなやつ、誰が好きになってくれるんだ……。

俺の沈んだ空気を払うためか、武田はやけに明るい声である提案をする。

「……あ、そうだ!朝比奈さんに生徒会に入って貰えば?」

……は?

武田の突然の言葉に一瞬思考が消える。

「最近、元生徒会長が辞任して、元副会長だったお前が、生徒会長になったろ?」

確かに、俺は元生徒会長の代わりに生徒会長になったが……。

それが一体なんだって言うんだ……?

「で、俺は生徒会長になったお前の代わりに副会長になる。予定だった。だろ?」

「……あ、なるほどな」

武田の言いたいことがなんとなく想像できて、武田の発想力に感嘆する。

さすがは、ずる賢い男だな。

「でも、どうやって生徒会に入ってもらうんだ?あんな姿を見られてはいわかりました。って言って入ってくれるとは思えないが……」

「それは、まぁ……脅しでもしたら?俺の本当の姿を見ただろー、とか、お前を監視するためだー、とか言って……まあ、冗談だけ———」

武田、お前は天才だ。

初めて感心したぞ。

「サンキュー武田。早速明日行ってくる」

武田が言い終わる前に手早くお礼を言って、その場を離れる。

「あ、おい!北斗⁉︎冗談だからな?本気にするなよ⁉︎」

そんな武田の忠告も、俺に届くことはなかった。