ヨシとトモはあの朝から、私の所には来なくなった。


「何だ、相川と広瀬は今日も遅刻か。最近ちょっとは真面目になったかと思ったら…」


……。

ヨシとトモはあれから又、毎日遅刻して来るようになった。

いつも一緒に居たのが嘘みたいだ。

つい最近の事なのに、まるで夢の中での出来事だったような感覚になる。

私はボンヤリとヨシとトモの席を見た。


そして担任は出欠を取ると言った。


「あー、立花、放課後に昨日配ったプリントを集めて職員室に持って来てくれるか?」

「えー」

「えーじゃない。日直だろ」

「…はーい……」

「じゃあ、頼むな」


担任が教室を出て行き、机の上に教科書を出す。

少しすると立花が私の席に来て言った。


「川野さーん」

「……?」


何?

立花は両手を組んでお願いのポーズをして言った。


「ねぇねぇ、川野さん。今日ね、放課後約束があるの。プリントを集めて放課後、、、、職員室に持って行ってくれないかなぁ?」


立花がそう言った時、教室のドアが開き、私は視線を向ける。

ヨシとトモだ……。


「川野さん…?」

「…え?」

「だからぁー、プリントお願い!友達でしょ?」