あの子と私

「…えっ?」


釣り合わないって?


「『えっ?』じゃなくてー。釣り合わないでしょ?あの二人モテるんだよ?」

「川野さんは勉強にしか興味がないから、知らないんじゃないの?」


……。


「あんま調子に乗らない方がいいんじゃないかな?それに内申書に響くかもよー?あの二人、目立つから」

「まー、いいじゃん。帰ろ?じゃあ川野さん、お勉強頑張ってね」

「頑張ってね!」


二人が教室から出て行き、私は暫く呆然としていた。


”釣り合わないでしょ?”


”内申書に響くかもよー?”


やっぱり私

あの二人から離れた方がいいんだ


家に帰るまでも、家に帰ってからも、二人の声が頭から離れない。


ヨシとトモは凄くいい友達だけど、いい大学に行く為には、二人と一緒に居てはいけないんだ。


「アリス、入るわよ」


母親は穏やかな表情で部屋に入ると、ベッドの上に腰を下ろす。


「お父さん、今日も早く帰るって。ご飯、何がいい?」

「…ハンバーグ」

「じゃあ、今から作るわね。アリスが頑張ってるから、お母さんも頑張らなくちゃ」


そう言って出て行く母親の顔を見て私は強く思った。


お母さんを悲しませてはいけない。


あの二人から離れるんだ。