あの子と私

翌日、黒縁眼鏡を掛けて学校に行く。


クラスの子達は昨日みたい私を見てザワザワする事もなく、私はホッとして席に座り、教科書を出して勉強を始めた。


「おはよー、アリス。何もう勉強やってんの?頑張ってるね」


顔を上げるとヨシが笑ってて、トモが軽く手を挙げる。



「何、今日はコンタクトじゃないの?ピンクの眼鏡を掛けて来れば良かったのに」


私はヨシの言葉に咄嗟に嘘を付く。


「寝坊したから。ピンクの眼鏡は…使うの勿体なくて」

「何だよー。せっかく可愛いのに」

「ごめん……」


私がションボリしてそう言うと、ヨシは優しい顔をして私の頭をクシャクシャしながら言った。


「いいよ。気にしないで。コンタクト、早く慣れるといいね」

「…うん」


ドキドキする。

こんな風に男の子にされた事がないから、ドキドキするんだ。


「あっ、先生が来た。後でねー」


ヨシとトモは席に戻り、私は担任に視線を向ける。

チャイム……鳴ってたんだ


ヨシは席に戻ると頬杖を付いて。大きなアクビをしている。
トモは普通に座ってこっちを見ていた。

そして私は前を向く。

勉強…頑張らないといけない。