あの子と私

「そんなに嫌がらなくてもいいのに」

「……」


違うのに……。

嫌とかじゃなくて、ドキドキしたから


息が止まりそうになったから


あんな風に顔を近付けられたら、誰だってドキドキするに決まってる。



「ヨシがからかうからだろ。次行こうぜ?次」


トモがそう言うと、ヨシは少しションボリした顔をして言った。


「ごめんな、アリス。支払い済ませるから、外出てて」

「お金……」

「いいの、いいの。無理やり連れて来たの俺だし、さっきのお詫び」

「でも……」


ヨシは笑顔に戻り、私はトモに連れられて外に出る。
するとトモは苦笑いしながら言った。


「アイツ、あぁいうの平気だから気にすんなよ」

「…うん」

少しするとヨシが出てきて、楽しそうに言う。


「お待たせー。じゃあ次行こうか」

「おお」

「次…?次って…?」

「アリスにはまだ秘密だよ」


ヨシがそう言い、トモと二人で笑顔で歩き出す。
私は二人に着いて行きながら、少しだけモヤモヤしてた。


『アイツ、あぁいうの平気だから気にすんなよ』



なんとなく胸が重くなった気がした。