あの子と私

胸の下まであった髪の毛はどんどん切られていき、肩より少し下くらいの長さになると、段が入る。


「こう切っておくとね、セットしやすいのよ」


お姉さんは楽しそうに鋏を動かす。

そして最後にワックスで私の髪をクシュクシュすると、満足そうに言った。


「どうかしら?」


大分短くなった髪の毛に私の顔がボンヤリと鏡に映る。


「眼鏡…かけてもいいですか?」

「あ、そうだったわね。どうぞ」


眼鏡を渡され、それをかけて鏡を見ると、お洒落な髪形をして冴えない顔をした私が映っていた。


「あ、眼鏡を外すとね、とてもよく似合ってるのよ。コンタクトにしたらどうかしら?」


コンタクト……。


コンタクトなんて怖いし、お母さんが反対するだろう。

”お洒落なんていいから勉強を頑張りなさい”

”その眼鏡の方が知的で似合ってるわ”


そう言うに決まってる。


私は会釈して椅子から降りると、待合室に行き腰を下ろす。
この美容室はお洒落過ぎて、ヨシ達が居ないと場違いみたいで落ち着かない。


私は鞄から教科書を取り出し、明日の授業の予習を始めた。


暫くすると声が聞こえる。