あの子と私

「ヨシとトモは黒髪にするの…?」


私がそうポツリと言うと、ヨシとトモは青ざめた顔をして言った。


「俺たちはいいんだよ。な?ヨシ」

「う、うん。アリスは知らないだろうけど、今金髪って流行ってんだよ?」


本当に…?
だってクラスの男の子だけじゃなくて、同じ学校に金髪の男の子って、ヨシとトモしか居ない。
それに私だけやって貰っていいの?


「じゃあ…私もやらない」


私がそう言うと、ヨシとトモは顔を見合わせて真顔で頷くと言った。


「分かったよ…。でもせめて茶髪にして?黒だけはマジで無理だから」

「うん…」


私が承諾すると、美容室のお姉さんは優しい笑顔で言った。


「凄く可愛くしましょうね!」

「…お願いします」


眼鏡を取り三つ編みをほどき、先にシャンプーを済ませると、大きな鏡の前に座り髪の毛を乾かして貰う。


「奇麗な黒髪ね。いつも三つ編みにしてるのかしら?全然傷んでないわ。切るのは勿体ないけど、可愛くするから安心してね」


私は黙ったまま頷く。

そしてカットされていくのを見ながら、ドキドキしていた。

時々お姉さんから匂ってくるフローラルの優しい香り。

私が変わっていく事に




緊張する。