ー翌日

学校に行くといつもは無いはずの、ヨシとトモの姿が目に入る。
席に座ろうとすると、ヨシとトモがやって来て言う。


「おはよう。アリス」

「…おはよ。今日は早いんだね」


私がそう言うと、トモが心配そうな顔をして聞いた。


「ああ。…昨日は家大丈夫だったか?」

「あ…うん」

「遅くなったから、ヨシと心配してたんだ」


三人で話しているうちに、クラスの子達が来て、こっちを見て何か話してるのが分かる。



「ちょっと焼けたな。でも健康的でいいじゃん」


「うん…」


担任が来るとトモは席に戻り、休憩になる度トモとヨシはやって来て、二人で盛り上がる。
ゲームの話、好きなバンドの話、私の知らない世界の話ばかりだ。


「今日さ、アリスは放課後暇?」

「勉強があるから」

「そっかぁ。昨日の今日じゃ、勉強遅れるし親にも怒られるよね」

「……うん」


するとヨシとトモは顔を見合わせて言った。


「来週に…するか」

「何?」


私が聞くと、ヨシは嬉しそうにニコニコしながら言った。

「まだ秘密。でもアリス喜ぶよ」

「……?」

「来週楽しみだな」

「ああ」


何をするのか、何度聞いても二人は教えてくれない。
そして放課後になり、一人で教室を出ようとした時だった。


「川野さん」

「…?」

振り返ると佐東と宮内が笑顔で私を見てる。


「川野さん、日焼けした?」

「あ、うん…」

「相川くんと広瀬くんと仲良いんだね。何で?」


万引きをトモに見られたのがきっかけで…なんて言える訳がない。