あの子と私

ざわついていた教室が、一瞬で静かになり三人に視線が集まる。


「とぼけるなよ?科学室に行く時、俺を押して階段から突き落としただろ?!」

「……何言ってんの?コイツ」


田中が冷たい目でそう言うと、斎藤が不快な表情で首を傾げながら言う。


「…田中くん達が科学室に行ってる時、近くを歩いていたけど、広瀬くんの姿は見えなかったよ?」


ヨシはその言葉を聞くと、呟くように言った。


「じゃあ…じゃあ誰なんだよ…?」

「…え?」


そして又大きな声で怒鳴り散らすように言う。


「お前?なぁ、お前だろ?!違うの?じゃあ誰なんだよ?!メールも…階段から突き落としたのも、カラスや猫のぬいぐるみや…一体誰なんだよ?!」


教室が不穏な空気で包まれ、誰も口を開かないで冷たい目でヨシを見てる。


ヨシがもっと変な事を言って、本当に一人になればいい。


そして一人になった時、手を指し伸ばすのは私しか居ないんだ。


「俺らマジしんねぇーし。何か変な夢でも見てんじゃねぇの?」

「謝んなよ、広瀬くん。階段で押された時、ちゃんと顔見たの?見ても無いのに疑うのって良くないと思う」