あの子と私

「こんな酷い目に合わされて、科学室に行けると思う?科学室で俺の事笑って待ってるかもしれないんだよ?!」

「…うん」


ヨシがヨシじゃないみたいだ。


「アリスは…?アリスは科学室に行くの?」


ここで科学室に行くより、ヨシと教室に戻った方が疑われないだろう。


「私も戻るよ」


ヨシは私のその言葉を聞くと、ホッとした顔をして私に言った。


「良かった。一人で戻るのもちょっと不安だったんだ。行こう、アリス」

「うん」


私とヨシは教室に戻り、ヨシの席にヨシは座り、私はヨシの前の席に座る。


「私、勉強してるね」

「うん」


私は科学の教科書を開いて勉強を始め、ヨシは黙ったまま何度も携帯を確認する。

そして時間は経ち、始業のチャイムが鳴ると、クラスの子達が次々と教室に戻って来た。


「あれー?居ないと思ったら、教室でサボってんじゃん」

「止めとけよ。又絡まれたら面倒じゃん」


薄笑いを浮かべる田中と星野の声が聞こえると、ヨシはいきなり立ち上がり、二人の方に歩いて行くと大きな声で言った。


「おい!階段から突き落としたのお前らだろ?!」

「…はぁ?」