あの子と私


「図書館は俺たちが無理だよ。つまみ出されちゃうって」

「俺、図書館行った事ねぇよ」

「トモなんか絶対似合わないよね」

「お前だって似合わねぇよ」


……。


「じゃあ、図書館以外に行きたい所は?」


図書館以外…?

二人と一緒に居ても誰にも見られなくて、もしお母さんにバレても怒られない所……。

そうだ


「海。海がいい」


私がそう言うと、二人は顔を見合わせて言った。


「いいじゃん。行こうぜ、海」


お母さん、ごめんね。
今日だけ……。
今日だけなら行っていいよね?

今日だけだから……。

相川と広瀬は楽しそうに歩き、私は二人の後を着いて行く。

そして駅に着き切符売り場に行くと、私は1200円を差し出して言った。


「これ…」


すると広瀬は手で押し返し、笑顔で言う。


「いいよ。俺、女の子にお金出させない主義だから」

「でも…約束だし……」

「川野さんって律儀だね。俺が遊んでる女の子なんて、絶対お金出すなんて言わないよ」


広瀬はそう言いながら財布の中からお金を出し、切符を買う。

どうしよう

本当に出さなくていいの?

どうしていいか分からなくて、ソワソワしていると相川が言った。