あの子と私

「この前本屋で偶然会って、金貸したんだよ。レジで無いのに気付いたみたいで困ってたから。なっ?」

「…うん」

「ふーん。で、トモは何で本屋に居たの?」

「欲しい攻略本があったから」

「あー、そういう事ね」


広瀬が納得し、私は安心して相川にお金を差し出す。
すると相川は私の手を押し返して言った。


「いらねぇって」

「…でも」


返さなかったらここに来た意味がない。


「じゃあさ、そのお金で遊びに行こうぜ?」

「え?」

「明日。じゃあ、俺ゲームしたいから帰るわ」

「ちょっと…」

相川は私の言葉を無視して、広瀬は楽しそうに手を振り、二人で公園を出て行く。
私はその場に呆然と立ち尽くした。

遊びに行くって二人と私……?

明日……?

そんなの冗談に決まってる。

あんな所を見られなければ、こんな事にはならなかったのに……。


最悪だ。


そろそろ帰ろう……。

遅くなったらお母さんに怒られてしまう。

重い足を引きずり、私は家に帰る。