あの子と私

「これ……欲しかったんだろ?」

「……え?」

「さっき買った。もう、お前のだから堂々と持って帰れば」

「でも…」


相川が渡して来た本を返そうとすると、相川は真顔で言った。


「俺、参考書とか興味ねぇし。じゃあ、明日学校で」

「ちょっと…」


相川は私の声を聞こうともせずに歩き始め、私はその姿を呆然と見送る。

そして相川の姿が見えなくなったら、渡された参考書をボンヤリと眺め、鞄の中に入れて家へと向かう。

家に着くと母親が私にキツク言った。


「何やっってるの?早く着替えて勉強しなさい!」

「ごめんなさい…」


私は後ろめたくて、母親と目を合わせる事が出来ないまま部屋へと戻る。
そして鞄の中から相川から貰った本を取り出し、紙袋を破った。

すると私が手に取っていた参考書が出てきて、何とも言えない罪悪感が沸いてくる。


こんな気持ちになるくらいなら


殴られた方がまだ良かった……。


参考書の下の方を見ると、¥1200と書かれている。


お金、返さなきゃ……。

明日学校で。



私はクローゼットを開けると相川に貰った参考書を、他の参考書とは別の位置に置いて扉を閉める。