ぴか★すき

「あれー、
梨陽先生どこ行ったんだろ?」


くそう…
大目くんまでわざとらしい声出しちゃって…。


でもやっぱり悔しいから、
私は大目くんの顔は見ないようにした。



「…なんで?」


大目くんの優しい声。

そんな優しい声だすから…
私、恥ずかしくなるじゃない。

私、泣きそうになるじゃない……


「……なにが?」


それでも必死に、強がった声を出す。

大目くんのことなんか、好きじゃないって。
別に今、どきどきなんて、
顔が赤くなったりなんて、してないって。

自分に、言い聞かせながら。


「なんで避けんの?」


でも大目くんが、悲しそうな声でそう聞くから。

私の必死な「言い聞かせ」はどっかに飛んでいって、
瞳からは涙が出そうだった。

それを隠すために、私は顔を膝に伏せた。