前にもこんなことあったな… と、僕はそれを思い出そうとする。 あの時は、名刺、もらったっけ…? もらったとして、どうしたっけ? …うーん? 僕は首をかしげてから、 きょろきょろとごみ箱を探した。 その時、 聞き慣れた声が聞こえた。 「おーい!灯耶!」 俺は振り返る。 …ああ。あいつか。 そいつが近付いて来るのを横目で見ながら、 僕は名刺を財布におさめた。