「はぁっ……はぁ…」 タクシーから降りたあと、必死で走ったせいで、息があがる。 息を整えなくちゃと思う自分と、 そんなもの関係ないから早く!と思う自分がいて、 余計にあせる。 でもそんな僕のあせりは、 50メートル先にいる片山さんに気付いた瞬間 消えてしまった。 僕に気付いた片山さんは、携帯を耳に当てたままベンチから立ち上がった。 そして 片山さんの瞳からは ぽろぽろと涙がこぼれ落ちる。