『…え……? 大目くん、今なんて……?』 震える片山さんの声。 表情が見えないのが、もどかしい。 「今どこ?」 『え…公園だけど……』 「そこにいて」 電話を切らないまま、走り出す。 ――…片山さん。 俺がいつも想うのはただひとり、 こんなに感情を動かすことができるのもただひとり、 君だけ。 片山さんが想うのは 心から「すき」と言えるのは だれ?――