片山さんが俺に、中2のころの話をしてくれたとき、言った言葉。
『まあ、そいつ、タチ悪くて。
「マンガのことばらされたくなかったら俺と寝ろ」
とか…言い出し、て……
襲われそうになって……』
それが、頭の中をぐるぐるとまわる。
そしてさっきの六哉の言葉。
じゃあ、つまり…——
嘘だろ?
そんなことって…
ないよ。絶対、ない。
でもまあ最近、ありえないと思ってたことがよく起こってるのも事実で。
しかも、片山さん関係で。
——てゆうか、今も実際、ありえないことがありえてる。
六哉が片山さんのスカートの中に手を入れた瞬間、なにかが切れた僕は、
「何してんの?」
なんて言いながら2人の前に出てきちゃったし。
普段の僕なら、ありえないでしょ。
…でも、ありえてる。
片山さんのことになると、
僕はなにかが変わっちゃうみたいだ。

